ライコネン、ロングインタビュー“子供は絶対欲しい” “将来はラリー”

キミがドイツのメディアRTLに語ったインタビュー記事の内容が、海外のファンサイトに掲載されていました。

先日、キミは「マッサが優勝しなくても構わない」と公言しているという報道がありました。その発言は、RTLのインタビューの中で出たものです。今シーズンの問題点や、家族計画、F1引退後の展望にまで触れた長いインタビューの中で、出た発言です。

キミはいつも「勝つことがレースの本質」と言っているし、以前、インタビュー動画の中でも「チャンピオンシップの上位3人を予想して」と言われて、「自分が勝てれば他は誰でもいい」と答えています。自分でないなら他の誰が勝とうと気にならない、とキミがいつものように自分の気持ちを素直に言っただけで、わざわざマスコミの前で「最終戦でマッサがどうなってもいい」と公言したわけではないのです。

「マッサが優勝しなくても構わない」という部分だけをとらえた記事だけが一人歩きしていますが、インタビュー全文を読むと、それがキミの本当に言いたかったことではない、ということがわかると思います。

キミファンの方にぜひ読んでほしいので、日本語に訳してご紹介します。

<インタビュー内容>

Q:ライコネンさん、あなたは今でも仕事を楽しんでいますか?
キミ:もちろん、よい結果が得られたときはもっと楽しいけれど、ときにはうまく行かない時期もある。だからといって、僕がドライビングの楽しさを失うわけじゃない。ドライビングが大好きだよ。

Q:あなたにとって、何が楽しいのですか?
キミ:僕は、ただ限界まで攻める感覚が好きなだけなんだ。

Q:それは、(通常の)道路でもですか?
キミ:ノー。速く走れる車を持っているけど、僕が飛ばすのはグラウンドか氷の上だけだよ。スイスでは、スピードを出すのはよいアイデアじゃないんだ(笑)。

Q:今シーズン、あなたがうまくいかかったことで、プレッシャーは増しましたか?
キミ:僕は失うものは何もない。負けてうれしい気分になることは絶対にないけど、それで世界の終わりってわけでもない。もしタイトルを目指して戦っていたなら、よりツラかっただろうし、ミスもしたかもね。

Q:2008年のあなたの問題は何ですか?
キミ:もちろん、前のレースは良くはなかった。だけど、僕はスピードを失ったわけじゃない。車に何か問題があるときは、勝つことはできないんだ。僕らは、いくつか間違った決定をした。それで僕はシーズンをムダにしてしまった。だけど、僕らはそこから学んだし、2009年に生かすことができるだろう。

Q:間違った決定とは、どれのことですか?
キミ:僕らは車を変えたんだ。それは、明らかに僕には良くなかった。スパで、以前の設定に戻したんだ。だけど、そのときには僕はすでにポイントランキングで後れをとっていた。改善するのが遅すぎた。

Q:なぜ、フェリペ・マッサのほうが問題が少ないのですか?
キミ:わからないよ。多分、フェリペはよいセットアップを見つけたのだろう。僕も同じ方法を試してみたけど、ハンドリングはよくならなかった。僕に合うよう、車を完全に組み立てなおしたんだ。それで、ちょっとずつ良くなったんだ。

Q:チームメイトに負かされることは、つらいですか?
キミ:そういう時もあるよ。まだ僕のキャリアは、終わっていない。僕はまた戻ってくる。僕がこんなにも長い間遅かったことはこれまでなかったということは、認めなきゃいけないね。でもその理由はわかっているから、終わりにするよ。

Q:誰がタイトルにふさわしいと思いますか?
キミ:ルイスはトップに立っているけど、それも変わるかもしれない。去年、僕が見せたようにね。僕は、誰にも自分のお金を賭けたいと思わないよ。フェリペとフェラーリにとっては、タイトルが取れれば素晴らしいだろう。だけど、正直に言えば、僕は誰が勝とうとかまわない。

Q:今は、フェリペをサポートしますか?
キミ:どのドライバーも、自分のために戦っている。チームは、コンストラクターズタイトルを取るために、僕がサポートすることを望んでいる。もちろん、僕がまだタイトルの可能性があれば違った判断をするかもしれないが、僕はただレースで勝つためにがんばる。それだけだよ。

Q:なぜ、2010年まで契約を延長したのですか?
キミ:それについては、チームと話し合ったんだ。僕らはいくつかの点を変更したくなった。すごくオープンに話し合って、それで今は僕もチームもハッピーだよ。

Q:そうでなければ、あなたは他のチームに行きましたか?
キミ:僕らが解決法を見つけられることは、わかっていた。これだけは確かだ:フェラーリがF1での僕の最後のチームだよ。

Q:あなたは長い間マクラーレンにいましたね。2つのチームの違いは何ですか?
キミ:マクラーレンはイギリスのチームで、フェラーリはイタリアのチームだ。だからメンタリティは全然違う。どちらのチームも素晴らしい人たちだ。だけど、雰囲気は違う。フェラーリはドライバーのことをよりケアしてくれるから、今のほうが居心地がいいね。雰囲気も、よりリラックスしてるんだ。だけど、マクラーレンについて悪く言うことはできないよ。僕は、そこでよい時間を過ごしたんだ。

Q:イタリア語を学びましたか?
キミ:ノー。少しは分かるけど、僕は学校が嫌いなんだ(笑)。勉強したくないよ。

Q:ドイツでは、ベッテルが新しいスターです。彼についてどう思いますか?
キミ:彼は本当にナイスガイだよ! スイスのすぐ近所に住んでいるから、僕は他のドライバーよりも彼をよく知っている。僕らはしょっちゅう会って遊んでるんだ。彼が優勝して、僕もすごくうれしいよ。セバスチャンは良い仕事をしている。でも、彼のF1キャリアでのベストな時期は、まだこれからだ。僕はそのキャリアが長く続くと思うよ。

Q:彼とはどんな遊びをするのですか?
キミ:バトミントン。だけど、彼はあまりうまくないから、いつも負けるんだ。彼をしかってくれよ!

Q:本当のキミ・ライコネンはアイスマンですか?
キミ:僕は、ありのままの自分だよ。だけど、ジャーナリストが僕の私生活についてあまりにも多くのことを知りたがるのは、うれしくはないね。彼らは、ひどいことだけを書くんだ。僕の私生活は、F1とは関係ないのに。

Q:もうすぐ30歳を回ろうとしていますが・・・
キミ:僕は29歳だよ(笑)!

Q:すぐにそうなる、という意味です。家族計画についてはどうですか?
キミ:絶対に子供は欲しいんだ。だけど、今は最適な時期じゃない。世界中を飛び回ってるからね。子供を持ったら、僕は子供達の成長を見たいんだ。

Q:なぜ、あなたはスノーモービルのレースをするとき、ジェームス・ハントと名乗るのですか?
キミ:(笑) マクラーレンにいたころ、僕が荒れた私生活を送っているといった報道がたくさんあった。友人がそのことをからかって、冗談で僕をジェームス・ハントと呼んだんだ。ハントが僕のヒーローってわけじゃないよ。
(*ジェームス・ハントはイギリス人の元F1ドライバーで1976年のワールド・チャンピオン。プレーボーイで酒好き、自由奔放、歯に衣着せぬ発言で知られた人です)

Q:では、あの有名なゴリラの着ぐるみについては?
キミ:あれも、ふざけただけだよ! コスチュームの善し悪しも評価されるボートレースがあったんだ。僕らはあまりよいボートを持っていなかったから、コスチュームに全パワーを注いだんだ。そして、本当に勝ったんだよ! 写真には僕の仲間たちしか写っていないよ。僕は、あの着ぐるみの中には入ってなかったんだ。



Q:F1はあなたの人生をどのように変えましたか?
キミ:F1はすごくビッグだ。だから、突然、公人に変わってしまう。もうプライベートでは自由に動けない。だけど、人生では何でもポジティブな面とネガティブな面があるものなんだ。ポジティブなことのほうが多いから、僕はここにいる。

Q:F1の後はどうするのですか?
キミ:絶対にラリーだよ。ラリーをずっとやりたいと思ってるんだ。だけど、F1での契約があるから、今はできない。ラリーでうまくいくか失敗するか、見てみたいね。ラリードライビングは僕の本当のパッションだよ。

F1通信:ライコネン 「マッサが優勝しなくても構わない」


<英訳の原文>
Mr. Räikkönen do you still enjoy your job?
Of course it makes more fun when you have good results, but sometimes you have a black series. But it does not take me fun of driving. I love it.

What do you find so great?
I just like the feeling to move at the limit.

Also on the road?
No. Of course I have cars with whom I could go quickly. But that I do only on the ground or on ice. In Switzerland it is not a good idea to speed (laughs).

Has the pressure increased because of your failure this season?
I don’t have anything to loose! It’s never nice to loose but it’s not the end of the world. It would be harder if I would fight for the championship and there would make mistakes.

What’s your problem 2008?
Of course my last races were not good. But I have not lost the speed. But when there is something on the car what bothers me I can not win. We made some wrong decisions. That has cost me the season. But we learned from that and will benefit from it 2009.

Which decisions do you mean?
We changed the car. That was apparently not good for me. In Spa we came back to the old configuration. But at that time I was already behind in the standing. The improvement came too late.

Why does Felipe Massa have fewer problems?
No idea. Probably Felipe has found a better set-up. I have tried to go the same way but although I was not happy with the handling. We had to rebuild the car completely for me. And as I said: slowly I feel better.

How hard is it for you to be beaten by your team mate?
That happens once. But it doesn’t end yet my career. I come back. Although I must admit: Over such a long time, I was never so slow. But I know why and I will stop it.

Who is your favourite for the title?
Lewis is in front but that can change. This I have shown last year. I would not bet my money on anyone. For Felipe and Ferrari it would be nice if he would get the title. But honestly: I don’t care who wins it.

Will you help Felipe now?
Everyone drives for himself. Clearly, the team expects from me that I help to get the Constructors’ title. And of course there are situations in which I would decide different if I still would be in the championship. I just try to win races. That is all.

Why do you have extended your contract until 2010?
I’ve been talking with Ferrari a while about that. We wanted to change some things, had a very open discussion. And now both sides are happy.

Would you otherwise have gone to another team?
I always knew that we will find a solution. I am completely sure: Ferrari is my last team in Formula 1.

You drove a long time for McLaren. What differs the two teams?
McLaren is english, Ferrari italian. The mentality is therefore totally different. In both teams there are nice people, but the atmosphere is different. I feel more comfortable because Ferrari take care more for the drivers. The atmosphere is more relaxed. But I can’t say anything bad about McLaren. I had a good time there.

Have you learned Italian?
No, I understand it a bit. But I have hate school (laughs again), don’t want to make a course.

In Germany, Vettel is now the new star. What do you think of him?
He is a really nice guy! I know him better than any other driver, because he lives in Switzerland, just around the corner. We meet quite often to play. About his victory I am so happy. Sebastian has done a good job. But he has the best time of his Formula-1-career still ahead. And I think this career will be long.

What do you play with him?
Badminton. But he is not very good, loses always. You can blame him!

Is the real Kimi Räikkönen actually an Iceman?
I am how I am but I don’t want that journalist know too much about my private life. They write then only crap about it. My private life has nothing to do with Formula 1.

You soon turn 30…
…ey, I will be 29 (laughs)!

I have said soon. How about family planning?
Definitely I want to have children. But it’s not the perfect time now, when travel around the world. When I have kids I want to see them grow up.

Why do you call yourself often James Hunt when doing snowmobile races?
(Laughs) When I drove for McLaren, there were many stories about my reportedly wild private life. My friends bantered me with that and called me James Hunt for fun. But he is not my hero.

And what´s behind that famous gorilla costume?
Also just fun! It was a boats race at which also the quality of the costumes got rated. We didn’t have the best boat, so we put all power into the costumes. And we really won! At the pictures there are only my mates. I wasn’t in one of these costumes.

How F1 did change your life?
Formula 1 is so big that you suddenly turn into a public person. You can’t move freely in private anymore. But everything in life has positive and negative sides. The positive ones prevail therefore I stay here.

And after Formula 1, what’s than coming?
Definitely rally. That I’ve always wanted to do, but the contracts in Formula 1 have never allowed it to me. I would like to see whether I am good or bad in it. Rally driving is my true passion.

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