キミ、フェラーリの素晴らしい復活ですね。スタートでバリチェロに行かれてしまったこと、そしてその後のことについて話してください。
キミ：2番手からポジションを落としたのはこれが初めてではないよ。スタートでは僕の側はとても滑りやすくて、しかも彼ら（ブラウンGP）はソフト側のタイヤだったから、スタートでは有利だっただろう。僕はルーベンスよりも速かったから残念だったけど、追い抜くチャンスがなかった。序盤でタイムをたくさん失ってしまい、そのときしかジェンソンの後に追いつくチャンスはなかった。

その後、少し長めのセカンドスティントがあって、ピットストップで何が起きたのかわからないけど、時間をたくさん失ってしまった。それで僕がピットから出たときにはルーベンスはずっと先に行っていた。僕らが望んでいるポジション、優勝に向けて戦うには、もうちょっと課題が残っているね。昨日、もしポールを取れていたら、状況は変わって、僕らにももっとチャンスがあったのだあろうけど。厳しかったシーズンのスタートのことを思えば、満足しなきゃいけないね。チームはファクトリーでもサーキットでも、今も熱心に仕事を続けている。だからこそ、ルールの範囲内でも別のことができるをわかってから、こんなに短期間で車を改善できたんだ。

3位と4位は悪くはないよ。次のレースではいくつか新しいパッケージが導入できるので、それが助けになると思うよ。
はっきり言ってがかりしてるけど、この状況では、満足するしかないよね。3位はハッピーじゃないけど、チームにとってはよい結果だよ。

キミ、スタートについてピーター・ウィンザーと話をしましたよね。スタートではKERSを使いましたか？
キミ：ああ。だけど、すぐにタイヤがスピンし始めたら意味はないよ。それが、僕がスタートで失敗した真相だよ。他の場所なら、僕は2位を守れたはずだ。長いストレートでは、KERSで大きなメリットを得られるけど、ここでは大した違いはない。彼らはソフト側のタイヤで、僕らは堅い方のタイヤだった。スタートでは、右側のほうが多分ちょっとよかったんだと思う。僕はそこでちょっとロスしてしまった。それが、その後の勝敗のすべてだったよ。ルーベンスが序盤でタイヤに問題を抱えていたとき僕の方が速かったけど、その後は似たようなペースだった。セカンドスティントでは僕の方が少し長かったけど、ピットストップのときには彼らのほうが速かったようだね。僕は彼らが何をしたのか知らないけど、僕がピットから出てきたときには、僕はずっと後方になってしまった。

スタートで3位にならなければ、僕は2位になれただろう。だけど、それでも僕が本当に望んでいたものじゃない。結局は、僕らには優勝を争えるほど十分な速さがないってことだと思うよ。でも、僕らは満足しなきゃいけないね。今年のこれまでのレースに比べれば、チームのためにはよい結果だしね。3位はガッカリだけど、チームにとってはよいことだし、チームの一員として僕もうれしいよ。ポイントも取れたしね。僕らはカムバックするよ。だけど、望み通りのポジションに到達するには、もう少しかかるだろう。だけど確実に、この数か月で大きく前進したんだ。ポジティブになるべきだね。チームはファクトリーでサーキットでも、ハードにプッシュするために、本当にすばらしい仕事をした。だから、その結果が出始めているし、結果が出ていることが、みんなが一生懸命プッシュする支えにもなっているよ。

（※ピーター・ウィンザーはイギリス人のF1ジャーナリストで、アメリカのSpeedTVでF1コメンテーターをつとめた人物。USF1チームを発足して、来年からのF1参戦を計画しています。日本語版の『週刊AOUT SPORT』にF1グランプリの内容を分析した彼のコラムが連載されてますが、さすがF1を知り尽くしてる人だけあって、とても面白いです。オススメ）

フェリペから3位を守るのは難しかったですか？
キミ：簡単じゃなかったよ。ずっとプッシュしてなければならなかった。とにかく、ピットストップでルーベンスをパスできるようにプッシュしたけど、できなかった。フェリペが僕より何周分燃料を持っていたのか知らなかったけど、近づいてきていることはわかっていた。だけど最終的には、（フェリペとの距離は）遠くなった。僕はとにかく、ずっとプッシュし続けてたよ。すごく接近してきていることはわかってたけど、最後は楽になれた。その後はスローダウンできて、ブレーキとタイヤをセーブした。そしてレッドブルの1台（ウェバー）が追いついてくる可能性もあったので、少しスピードアップした。最後のピットストップの後は、とても楽だった。

キミ、2回目のピットストップも1回目同様、マッサより先でしたね。もしジェンソンが2回目のピットを終えてマッサの後ろに戻っていたら、今のポジションは危うかったと思いますか？
キミ：そんなこと考える気もしないよ。何でそんなこと考えるの？ 僕は3位だった。それが結果なんだよ。ルーベンスがタイヤに問題があって遅くなっていたのを見て、彼の前に出ようとして、1回目のピットストップを早めたんだ。後続の車が急激に追い上げてきていたから、少し予定外だったけど、マッサより早く入ったのはそういうことだ。でも、こうして3位になれたし、彼がどうしたかなんて関係ない。結局は3位になったんだから。