中国GP、決勝後のライコネンQ&A

2009年F1グランプリ » この記事

キミ・・・序盤は5番手を走行していたのですが、ハミルトンと抜きつ抜かれつを繰り返したり、その後ブエミに抜かれたり。結局は10位ノーポイントという残念な結果でした。エンジンがミスファイアでも起こしたのか、序盤で「エンジンがちゃんと機能していない」と無線で訴えていましたね。

Autosport.comに掲載されている、決勝後のキミの質疑応答をご紹介します。

Q & A with Kimi Raikkonen

キミ、レースについて教えてください。

序盤はそれほど悪くなかった。でもその後、グリップが全然なくなってしまった。だから、コース上にとどまるのがとても難しく、他の車のほうが速かったから僕を抜いていったんだ。




タイヤを適切な温度まで暖めるのが難しかったのですか?
温度の問題なのかどうかはわからないよ。とにかくグリップがなかった。アクアプレーニングが起きていて、滑りやすかった。ウェットパッチに乗るたびに、フロントエンドのグリップを失ったよ。とても難しいレースだった。さっきも言ったように、序盤は悪くなかったけど、その後は厳しくなった。燃料をたくさん積んで新しいタイヤに変えた後、状況はもっと難しくなったんだ。

エンジンに問題があったのですか?
時々、ちょっと問題があって、きちんと機能しなかった。他の車の後ろにいて水の量が多いと、まき散らされた水が影響するから、そういうことが起きうるんだ。だけど、しばらくしたら直ったよ。

フェラーリは3戦ノーポイントです。これについて、どう思いますか?
良くはないね。いくつかミスもしたし、残念ながら、望み通りの速さがない。だけどバルセロナでは新しいパーツが来るし、いくらか改善できるはずだ。今日がドライレースだったら、何ポイントかは取れただろう。

僕らの車はドライで十分なグリップがないけど、ウェットではさらにグリップが不足しているようだ。僕らができることでベストを尽くすよ。必ず、勝利のために戦えるポジションに戻ってくる。だけど、それには少し時間がかかるだろう。だから、僕らは今の困難な時期を耐えるしかない。そして確実に、僕らは好転しつつあるよ。

このような状況では、モチベーションを保つのは難しいですか?
モチベーションとは何の関係もないよ。残念ながら、僕らはあまり速くない。それはみんなのモチベーションのせいや、僕らがベストを尽くしていないということではないんだ。少し時間はかかるだろう。だけど、一夜にして起きたことではない。バルセロナでは、車を改良できることはわかってる。状況が改善されるよう願ってるよ。チームがベストを尽くしていないなんてことは全然ないんだよ。

だけど、追いつくのが簡単なスポーツではない。望み通りにいかないときもあるし、そんなときは、状況が厳しく、あらゆる点で逆風が吹いているように感じるだけだ。そこから抜け出すのは大変だけれど、僕が言ったように、少し時間がかかるし、この時期を耐え抜かなきゃいけないんだ。僕らが勝つためにチャレンジできるポジションに向かっていることは確かだよ。いつかはわからないけれど、そう遅くないことを願うよ。

あなたのキャリアで最悪な状況ですか?
以前、もっと困難なシーズンや、もっと良くないシーズンのスタートもあったよ。今は皆にとって厳しい時期なんだ。だけど、これがレーシングだ。良くなるよう努力して、ベストを尽くすよ。僕らの望み通りではないから、ファンもハッピーではないし、新聞では良くない記事をたくさん書かれる。だからといって、僕らが状況を好転すべくがんばっているのを止められはしないよ。さっきも言ったように、いくつかの点は改善できるだろう。僕らは戻ってくるよ。だけど残念ながら、今は、そうではないんだ。

問題はどこにあると思いますか?
僕らの車は、他の車に比べてダウンフォースが足りない。新しいフロアを手に入れれば、絶対にダウンフォースをもっと得られて、車は速くなるだろう。ドライでは、車のハンドリングはそれほど悪くない。だけど、コーナーでダウンフォースを失っているんだ。それが大きな違いだよ。

ーーー
他の車の後ろで水煙をかぶってたことを言ってるので、やはり、そのせいでエンジンがミスファイアを起こしていたのでしょうか?

残念ながら今のフェラーリが他の車よりもダウンフォースが不足していて、速さがないことは認めなければならない事実ですね。今の困難な時期を耐え抜くしかない、とキミが言ってるように、ファンとしては、フェラーリがまたポディウムの常連に戻ってくることを信じて、祈るしかないです。

2004年のマクラーレン時代、「もしマクラーレンが今年勝てたら、シルバーストーンを裸で走ってやる」とあるメディアの記者に言われるほどバカにされてましたが、キミがスパで勝ちましたし(そしてロン・デニスは本当にその記者を裸で走らせました^^;)。フェラーリ、がんばれ~!!

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コメント / トラックバック 2 件

  1. ネル より:

    はじめまして。上海の後、キミのエンジンについて調べていたら、いつの間にかこのサイトに入り浸っていました(笑)。
    英語の翻訳等、とても感謝しながら観覧させて頂いております。ご苦労は多いかと思いますが、いちキミ(とアロンソ)ファンとして応援しています!
    話は変わりますが、先日の「キミの若い頃を二発くらい殴ったような」のくだり、すごく笑ってしまいました。付け爪って女性ならではのアイデアですよね。時にはそれが爆弾にもなるということを、ちゃっかり学ばさせて頂きました(^^ゞ
    そして何より。マレーシアまで行くなんて凄いです。確かセパンは、キミが初優勝しロンが男泣きした場所(だったと思います。違っていたらすみませんっ)。今やワールドチャンプのキミですが、彼にもベッテルのような頃があったのですね。ただ、当時は今とは比較にならない程マシンの信頼性が低かったので、その分、苦労や悔しさを味わう機会は多かったのだと思います。現在では完走できて当たり前ですが、ほんの数年前まではタイヤにフラットスポットがあったりすればタイヤがサスごともげたりするクルマだったんですものね。えらく進化したものです。

    全く関係ありませんが、ふと、キミとベッテル君のドライビングスタイルって似ているのかも、と思ったりしました。以前アロンソが「女性を扱うように」ドライブすると(たぶん)言っていましたが、私感ではキミってその真逆なんだと思います。「キミはコーナーへのアプローチを信じられないほど早くから始めるんだ」と以前、マクラーレンの誰かが言っていました。出口重視と言われているアロンソと比較すると特に顕著ですが、グリッドの他のドライバーと比べてもキミのドライビングは「特殊」なんだと思います。常にリアを微妙にスライドさせながら浅い舵角を長時間与え続けるキミには「感覚」とか「フィーリング」という言葉がピッタリだと思います。
    フェラーリの作るマシンは八方美人的なキャラクターなのかもしれませんね。野生的なキミにとっては満足できるパートナーではないように思います。エイドリアン・ニューウィがマクラーレンにいた頃、マシンは確かに壊れやすかったですが、でもギリギリまで攻めて作られたキミと気が合いそうなツンデレ(?)マシンだったと思います。現在の信頼性を持ったニューウィのマシンにキミが乗ったなら、きっと、面白いことになると思うのですが。

    現在、ニューウィのマシンにはキミ好きのベッテル君が乗っていますよね。ウィットに富んだイタズラ好きの天才も、寡黙だけど実はお茶目で熱い天才も、どっちも好きなので両方応援したくなります。でも、やっぱり、ポチッとスイッチが入ったキミが好きですね。僕はアロンソも好きですが、まんべんなく速いアロンソとは違って、ここ一番で野生動物みたいな爆発力を放つキミってすごく魅力的だと思っています。

    長文、失礼いたしましたm(__)m

  2. yukarin より:

    >ネルさん

    はじめまして。コメントありがとうございます♪

    わたしがキミのファンになったきっかけは顔がカッコよいという理由でしたが、今ではキミというドライバーにすっかり魅了されてます。それで、どうしてもキミを生で応援したくて、マレーシアまで出かけてます。今年はできればスパにも行ってみたいと思っているところです。
    セパンは、そうです!キミが初優勝をかざった場所です。キミもデビュー時は21歳。そして翌年にはトップチームのマクラーレンへ移籍、2003年には最終戦までチャンピオン争いにからんだり。わたしはデビュー当時のキミは知らないのですが、きっとベッテル君のように「天才若手ドライバー」と評価だったのだと思います。
    誰もが「キミには天賦の才能がある」と言うとおり、キミの速さは理論で語られるものというより、天性の物なのでしょうね。今年のレッドブルは車もすごいですし、期待大ですね。マレーシアでニューウェイにサインをもらえて、うれしかったです。ニューウェイのファンでもあるので。

    またぜひいらしてくださいね!

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