キミはすでにフル・スロットル
久々の更新ですみません。数日前に、イタリアのAutoSprint誌に載っていたキミのインタビューです。ファンが英訳してくれてたので、和訳しました。
Kimi is already at full throttle
(キミはすでにフル・スロットル)
TVの正面にあるソファに深く腰掛けた彼を見る。TVはフェデラーの試合を映している。そして疑問に思う。彼はなぜこんなことをしているのだ?キミ・ライコネンはまだスリムで、彼の見た目は常におぼろげだ。室内ですら被っている彼のビーニーからは、金髪の巻き毛が見えている。キミ、なぜこうしているの?あなたは5年前にワールドチャンピオンだった。チャンピオンになった最後のフェラーリドライバーだ。ラリー、NASCAR、プジョー908も楽しんだ。ロータスでは頂点に戻る可能性がほとんどないとよく分かっているはずだ。特に、32歳では。それで?お金のため?意地悪な答えを期待する。代わりに彼は始めた。「お金は、話の一部にすぎない。僕が必要としていたものではない。確かに、これは自分の命のリスクがある仕事だ。だから・・・」
―あなたは別のカテゴリーでもレースをしてきたとも言えるね。だけど、F1はあなたにとって特別なものかな?
特別?それはわからない。F1は僕のキャリアの大半をしめるものだということだ。だけどレースをしたいなら、トップレベルでやろうとすべきだ。そして選べる立場にあるなら、皆、F1を選ぶだろう。
―ロータスとの交渉はどうだった?
ウィリアムズとはうまくいかなかった。彼らのオファーは、僕の望むものではなかった。ロータスとは様々なことを話し、とても素早く事が運んだ。双方が満足する契約を容易に結べたんだ。
―自分のことを、学ぶことがたくさんあるルーキーだと思う?それとも人に教えることができるチャンピオンだと思う?
どうだろうか。正直に言って、これまで結果のことについてはそう重視しなかった。自分のベストを尽くしたいだけだ。また、いくつかよいレースができればいいと思う。何かうまくいかないことがあっても、「ファッ○、もうダメだ!」とは言わないだろうね。
―あなたは2年のブランク、シューマッハは3年だったけど・・・
比較はできないだろう。彼にとってどの程度簡単だったとか難しかったのかは、知らない。僕は自分のことを考える。
―グランプリだけでなく、プレスとのインタビューやミーティング、あなたが嫌っている事もまたやらなきゃいけないわけだけど。何か変化があると思う?
以前と同じだと思う。何もかも変わったと、人は言う。だけど、僕は信じない。それに僕はレースが好きだからここにいると、常に言っている。残りのこともF1の一部だけど、メインではない。いつもそうだったし、ずっと変わらないだろう。
―いつラリーを諦めることを決めたの?
NASCARに挑戦して、他者と一緒にレースをするのが好きだと気付いた。そして恋しく思うようになった。ラリーを止めたかったわけじゃない。今でもラリーをしたいけれど、できないんだ。将来どうなるか見てみよう。
―もっと時間があれば、ローブのレベルに達することができたと思う?
今でも、彼に届く人は誰もいないと思う。ラリーは最も難しいスポーツの1つだ。数人のドライバーがすごく速いのは印象的だよ。しかしそれをF1に置き換えても同じ話だ・・・あと2年は必要だったろう。そしてテストをこなして、オフィシャルチームにいる必要があっただろう。
―グランプリを追いかけていた?
2010年はまったくしていなかった。昨年は、復帰する可能性があると思ったので、数戦を見始めた。そう変わっているとは思えない。オーバーテイクは増えたが、単に可変ウイングを使うからだ。それは本当のオーバーテイクだろうか?明らかに、タイヤや他のことによる、ショーのようなものだ。トラック上でスピードが違うことが増えている。だけどF1はいつもそういうものだったし、誰かをオーバーテイクしたいなら、より速くなければならない。
―また勝てるだろうか?
勝利はいつだってよいものだし、チャンピオンシップは常に重要なゴールだ。だけど、そうならなくても、僕の人生は変わらない。
(―以前のキミが戻ってきた)
僕は執着しない。みんなは僕に勝利を期待すると思う。だけど、僕は自分のドライビングに満足しているし、もしそれが十分じゃないなら十分じゃなかったというだけだ。
―あなたがF1を離れたのはモチベーションがなくなったからだと言われているが・・・
そう書いた人は、僕を知らないのだろう。いつもそういう、くだらないことがあった。車がクソだと分かっていて、最善を尽くしても結果にたどり着けないとき、どういうモチベーションを得ろっていうんだ? 自分の責任じゃない。僕はモチベーションの問題を抱えたことはない。彼らが言うことに興味はない。
―フェラーリでの最後の期間、後悔はない? 「もし、ああしていたら」と思ったことは?
ない。後悔は何もない。僕はかつてない最高のドライビングをした。十分でなかったのは車のほうだ。もし過去にもどっても、僕は何も変えない。確かにミスはした。だけど、ミスから学ぶことがあった。
―彼らはアロンソを取りたがっていた。彼らがあなたを攻撃したがっていると感じたことはある?
興味がない。何の恨みもない。それに3年前のことだ。
―ヴァレンシアでの2010年カーのテストでピレリのデモタイヤを試したね。どんな違いがあった?
しばらくするとリヤタイヤがたれたが、そう違いがあるとは思わない。例え今年のタイヤがまた変わると言われても、違いはそういだろう。
―あなたがレースをしていたときはピットストップがあったけど、今はもうありません・・・
OK。スタート時は150kgの燃料を詰んでいる。だけど、昼と夜ほどの違いはない。フルタンクを試したが、同じ車だ。単に重さが違うだけだ。
―再び、ステアリングのボタン類に慣れる必要があるね。R30のボタンは「完全」ではないけど・・・
うん。KERSボタンがない。だけどKERSは2009年に使っていたし、たった1個のボタンだ。可変ウイングのDRSも以前はなかったが、結局、そう驚くことじゃない。ちょっと押すものが増えただけ、あとは自動だ。
―グロジャンがチームメイトです。もっとベテランのチームメイトがよかった?
いいや。彼とはクリスマス前にファクトリーで合った。彼のことはまだよく知らないが、ナイスガイのようだ。
―フィジカルトレーニングを変更している?
うん。何よりも首を。ラリーでも、強い横方向の加速はあったし、ステアリングはより硬くもあった。それに、もっと疲れるんだ。1週間ずっと朝5時に起きるんだ。F1では1時間半のセッションを過ごすだけだ。
―プジョー908については?
美しく、面白かった。大きく見えるがF1カーのように運転できる。奇妙で、とても静かだ。
―F1にはどのくらいいるだろう?
以前は何のプランもなかったし、今も将来のプランはない。10年?いや、F1にそう長くいるとは全く考えられない。
―今のF1ドライバーで、印象的な人はいる?
そう差はないだろう。フェッテルは2年前も速かった。レギュレーションのせいでいくつかのチームのポジションが変わっているが、強者はいつも同じだ。
―マッサとレースをしていたとき、彼のほうが速いこともあった。なのに彼が昨年大苦戦したことに驚いた?
2009年も、僕らには困難な年だった。彼がタイヤで苦戦しているのか、何か別のことなのかはわからないが、例え以前と同じくらい速いと自分で思っていても、そういう時もある。僕にとっては、フェリペは数年前と同じだ。彼に合わない何かがあっただけだろう。
―結局、家にいるのが飽きた?
自分のための時間はあったが、ラリーはかなりの時間が必要だ。それに、僕は暇なときは家にいるのが好きだ。だけど、時々、旅を恋しいと思って、どこかへ行かなければならないときもある。休憩するにはよかった。だけど、今はすべて以前と同じようなものだと思う。
同じタグの記事も併せてどうぞ!
タグ: autosprint